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吾輩は猫である_九 - 8

夏目漱石
日语读物
总共148章(已完结

吾輩は猫である 精彩片段:

九 - 8

「いや非常な人で、それでその人が皆わしをじろじろ見るので――どうも近来は人間が物見高くなったようでがすな。昔(むか)しはあんなではなかったが」

「ええ、さよう、昔はそんなではなかったですな」と老人らしい事を云う。これはあながち主人が知(し)っ高振(たかぶ)りをした訳ではない。ただ朦朧(もうろう)たる頭脳から好い加減に流れ出す言語と見れば差(さ)し支(つか)えない。

「それにな。皆この甲割(かぶとわ)りへ目を着けるので」

「その鉄扇は大分(だいぶ)重いものでございましょう」

「苦沙弥君、ちょっと持って見たまえ。なかなか重いよ。伯父さん持たして御覧なさい」

老人は重たそうに取り上げて「失礼でがすが」と主人に渡す。京都の黒谷(くろだに)で参詣人(さんけいにん)が蓮生坊(れんしょうぼう)の太刀(たち)を戴(いただ)くようなかたで、苦沙弥先生しばらく持っていたが「なるほど」と云ったまま老人に返却した。

「みんながこれを鉄扇鉄扇と云うが、これは甲割(かぶとわり)と称(とな)えて鉄扇とはまるで別物で……」

「へえ、何にしたものでございましょう」

「兜を割るので、――敵の目がくらむ所を撃(う)ちとったものでがす。楠正成(くすのきまさしげ)時代から用いたようで……」

「伯父さん、そりゃ正成の甲割ですかね」

「いえ、これは誰のかわからん。しかし時代は古い。建武時代(けんむじだい)の作かも知れない」

「建武時代かも知れないが、寒月君は弱っていましたぜ。苦沙弥君、今日帰りにちょうどいい機会だから大学を通り抜けるついでに理科へ寄って、物理の実験室を見せて貰ったところがね。この甲割が鉄だものだから、磁力の器械が狂って大騒ぎさ」

「いや、そんなはずはない。これは建武時代の鉄で、性(しょう)のいい鉄だから決してそんな虞(おそ)れはない」

「いくら性のいい鉄だってそうはいきませんよ。現に寒月がそう云ったから仕方がないです」

作品简介:

夏目漱石《我是猫》日文原版。

1867(慶応3年)、江戶牛込馬場下(現在新宿区喜久井町)に生れる。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。留学中は極度の神経症に悩まされたという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、「吾輩は猫である」を発表し大評判となる。翌年には「坊っちゃん」「草枕」など次々と話題作を発表。’07年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

作者:夏目漱石

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