文学作品阅读

吾輩は猫である_九 - 10

夏目漱石
日语读物
总共148章(已完结

吾輩は猫である 精彩片段:

九 - 10

「君独仙の説を聞いた事があるのかい」と主人は剣呑(けんのん)だから念を推(お)して見る。

「聞いたの、聞かないのって、あの男の説ときたら、十年前学校にいた時分と今日(こんにち)と少しも変りゃしない」

「真理はそう変るものじゃないから、変らないところがたのもしいかも知れない」

「まあそんな贔負(ひいき)があるから独仙もあれで立ち行くんだね。第一八木と云う名からして、よく出来てるよ。あの髯(ひげ)が君全く山羊(やぎ)だからね。そうしてあれも寄宿舎時代からあの通りの恰好(かっこう)で生えていたんだ。名前の独仙なども振(ふる)ったものさ。昔(むか)し僕のところへ泊りがけに来て例の通り消極的の修養と云う議論をしてね。いつまで立っても同じ事を繰り返してやめないから、僕が君もう寝(ね)ようじゃないかと云うと、先生気楽なものさ、いや僕は眠くないとすまし切って、やっぱり消極論をやるには迷惑したね。仕方がないから君は眠くなかろうけれども、僕の方は大変眠いのだから、どうか寝てくれたまえと頼むようにして寝かしたまではよかったが――その晩鼠(ねずみ)が出て独仙君の鼻のあたまを噛(かじ)ってね。夜なかに大騒ぎさ。先生悟ったような事を云うけれども命は依然として惜しかったと見えて、非常に心配するのさ。鼠の毒が総身(そうしん)にまわると大変だ、君どうかしてくれと責めるには閉口したね。それから仕方がないから台所へ行って紙片(かみぎれ)へ飯粒を貼(は)ってごまかしてやったあね」

「どうして」

「これは舶来の膏薬(こうやく)で、近来独逸(ドイツ)の名医が発明したので、印度人(インドじん)などの毒蛇に噛(か)まれた時に用いると即効があるんだから、これさえ貼っておけば大丈夫だと云ってね」

「君はその時分からごまかす事に妙を得ていたんだね」

「……すると独仙君はああ云う好人物だから、全くだと思って安心してぐうぐう寝てしまったのさ。あくる日起きて見ると膏薬の下から糸屑(いとくず)がぶらさがって例の山羊髯(やぎひげ)に引っかかっていたのは滑稽(こっけい)だったよ」

「しかしあの時分より大分(だいぶ)えらくなったようだよ」

「君近頃逢ったのかい」

「一週間ばかり前に来て、長い間話しをして行った」

「どうりで独仙流の消極説を振り舞わすと思った」

「実はその時大(おおい)に感心してしまったから、僕も大に奮発して修養をやろうと思ってるところなんだ」

「奮発は結構だがね。あんまり人の云う事を真(ま)に受けると馬鹿を見るぜ。一体君は人の言う事を何でもかでも正直に受けるからいけない。独仙も口だけは立派なものだがね、いざとなると御互と同じものだよ。君九年前の大地震を知ってるだろう。あの時寄宿の二階から飛び降りて怪我をしたものは独仙君だけなんだからな」

作品简介:

夏目漱石《我是猫》日文原版。

1867(慶応3年)、江戶牛込馬場下(現在新宿区喜久井町)に生れる。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。留学中は極度の神経症に悩まされたという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、「吾輩は猫である」を発表し大評判となる。翌年には「坊っちゃん」「草枕」など次々と話題作を発表。’07年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

作者:夏目漱石

标签:吾輩は猫である夏目漱石

吾輩は猫である》最热门章节:
1十一 - 62十一 - 53十一 - 44十一 - 35十一 - 26十一 - 17十 - 208十 - 199十 - 1810十 - 17